語られる不思議な出来事の数々。あなたにとってこの物語は、どんな意味を持つのだろうか。『一人称単数』

こんにちは!シエルです!!

今日紹介するのは、村上春樹さんの短編集『一人称単数』です!

あらすじ

書き下ろしを含む8篇の短編が収録された村上春樹の短編集。

これまでに経験した不思議な出来事を自ら語る形式で物語は展開していきます。

語られる物語は、人生にとって何か極めて重要な意味を持ちそうで全く自分の人生を変えることはなかった、けれどもふとした時に立ち返りたくなるような出来事です。

そんな些細で、でも決して忘れることのできない出来事たち。フィクションかノンフィクションかすらもわからない村上春樹の世界を思うがままお楽しみください。

感想

村上春樹特有の美しく、文学的で高尚な文章で書かれた短編の数々は読んでいるだけで自分を文化人に押し上げてくれているようなそんな錯覚に陥らせてくれました。

私たちにとっても何か人生にとって大切なことを教えてくれているような、全く意味のないもののような、つかみきれない文章に頭を使いながら読んでいました。そもそもテーマとか教訓なんてものはないのかもしれない。

私たちの人生にも必ずある、人生の分岐点にはならなかった一生忘れることのできない出来事。そんな出来事に立ち返りたくなるような一冊です。

「クリーム」が自分的には1番好きな作品でした。考えても意味がないかもしれないことを考える。そして人生にとって価値のあるもので簡単に手に入るものはない。これは肝に銘じておきたいですね。

最後にある考察で心に残った一文を書き留めておきます。

「考察や解釈はしなくていいけれど、なさりたいならご自由に。」

まとめ

村上春樹の美しくも不思議な短編が集められた『一人称単数』

ちょっと時間を見つけて、1人の時に読んでみてもらいたいですね。

おすすめ度:☆4.1

これからも本や映画の紹介をしていくので、見に来てくれるとありがたいです!

それでは、また!!